住宅ローンを抱えながら投資を続けることに、あなたは不安を感じていないだろうか。「借金があるのに投資なんてギャンブルじゃないか」「まずはローンを返してから考えるべきだ」——そんな声は今でもよく耳にする。しかし私の結論は逆だった。残債3,300万円のローンを残しながらNISAで投資を続けた結果、現在はそのローンをいつでも完済できるだけの資産を手元に持つことができた。ローンは人生の足かせではなく、使い方次第で選択肢を広げる道具になる。この記事では、私が「繰り上げ返済より投資」を選んだ判断の根拠と、実際にどうなったかをリアルにお伝えしたい。
筆者の経験
私は35年ローンで残債3,300万円(残28年)を抱えながら、繰り上げ返済ではなくNISAでの投資継続を選んできた。判断の根拠はシンプルで、住宅ローンの金利と投資の期待リターンを比較した結果、投資の方が合理的だと結論づけたからだ。
その判断は、時間をかけて正しかったと証明されつつある。現在、住宅ローンをいつでも完済できる額の資産が手元にある。ローンがある限り定年まで働き続けるしかないと思い込んでいたが、選択肢が生まれた感覚は想像以上のものだった。人生の新しい扉が開いた、というのが正直な感想だ。
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繰り上げ返済と投資、どちらが得か?判断の考え方
「繰り上げ返済と投資、どっちが得なのか」という問いは、住宅ローンを持つ会社員なら一度は考えるテーマだと思う。結論を先に言えば、住宅ローンの金利が低ければ低いほど、投資を優先した方が数字的には合理的になりやすい。
繰り上げ返済のメリットは「確実な利息軽減」だ。たとえばローン金利が0.5〜1.0%程度の変動金利であれば、繰り上げ返済をすることで、その金利分のコストを確実に減らすことができる。リスクゼロで「利回り0.5〜1.0%相当」の効果が得られる、と考えることもできる。
一方、投資(たとえば全世界株式や米国株インデックスファンド)の長期的な期待リターンは、過去実績ベースで年率4〜7%程度と言われている。もちろん投資にはリスクがある。短期では大きく下落することもある。しかし、10年・20年という長期で見たとき、リスクを取りながらも期待リターンがローン金利を大きく上回る可能性があるのが投資の強みだ。
この二択を比較するときに重要なのは、「確実性を取るか、期待値を取るか」というリスク許容度の問題でもある。繰り上げ返済は確実だが上限がある。投資は不確実だが、複利の効果で資産が大きく育つ可能性がある。どちらが「正解」かは一律には言えないが、長期投資ができる年齢であること・生活防衛資金が確保できていること・精神的に相場の波に耐えられることの3条件が揃っているなら、投資優先には合理的な根拠がある。
繰り上げ返済が向いているケース
ただし、繰り上げ返済が有効な場面もある。ローン金利が高い場合(かつて多かった固定金利3%以上など)、投資経験がなく精神的に相場の変動に耐えられない場合、あるいは「借金がある」というだけで精神的な負荷になっている場合は、繰り上げ返済を優先した方が生活の質が上がることもある。お金の判断は数字だけではなく、自分の心理状態とも向き合う必要がある。
私が「投資優先」と決めた理由(金利と期待リターンの比較)
私が繰り上げ返済ではなくNISA投資を選んだのは、シンプルに「金利と期待リターンを比べた結果」だった。
私の住宅ローンは変動金利で、現状の適用金利は1%を大きく下回る水準だ。一方、私がNISAで積み立てている全世界株式のインデックスファンドは、長期での期待リターンとして年率4〜6%程度を想定している。この差を考えると、繰り上げ返済に資金を回すよりも、投資に回した方が長期的には有利になる可能性が高い——そう判断した。
もちろん、投資にはリスクがある。来年の相場がどうなるかは誰にも分からない。ただ、私には20年以上の投資期間が残っている(ローンの残存期間と合わせて考えると特にそうだ)。長期であればあるほど、複利の効果と時間分散が働き、リスクを和らげながらリターンを積み上げやすくなる。
また、NISAには税制優遇という強力な後押しがある。通常、投資の利益には約20%の税金がかかるが、NISAの非課税枠を使えばその税金がゼロになる。これは繰り上げ返済にはない、投資ならではのメリットだ。この税制優遇を最大限活用できる今のうちに、できる限り非課税枠を埋めておきたいという思いも、投資優先の判断を後押しした。
「借金があるのに投資」への罪悪感とどう向き合ったか
正直に言うと、最初のうちは「住宅ローンがあるのに投資にお金を回していいのか」という罪悪感があった。特に相場が下落したとき、「やっぱり繰り上げ返済すればよかった」と思う瞬間もあった。しかし、そのたびに自分が判断した根拠——金利と期待リターンの差、長期投資の優位性——を振り返ることで、冷静さを取り戻すことができた。判断軸を言語化して持っておくことが、長期投資を続けるうえで最も大切なことだと今は思っている。
実際に投資を続けた結果(資産の変化・気づき)
では、実際にどうなったのか。体験談ボックスにも書いたとおり、現在は住宅ローンをいつでも完済できる額の資産が手元にある。ローンを抱えたままスタートし、コツコツと投資を続けた結果がそこに積み上がっていた。
この事実が持つ意味は、単なる「儲かった」という話ではない。選択肢が生まれたという感覚だ。「ローンがある限り定年まで働き続けるしかない」という強迫観念から解放され、「ローンを返してもいいし、そのまま運用を続けてもいい」という状況になった。これが、資産形成の本質的なゴールだと私は思っている。お金を増やすことが目的ではなく、人生の選択肢を増やすことが目的なのだ。
また、投資を続けながら気づいたことがある。それは、投資と住宅ローンを「両立」することは、精神的にも意外と安定できるという点だ。ローンの残高は着実に減っていき(毎月の返済で元本が減る)、同時に投資資産は市場の力で育っていく。この二軸が同時に動いているという感覚は、安心感につながった。
「投資を続けること」そのものが習慣になった
もう一つの気づきは、投資を続けること自体が習慣として根付いたことだ。毎月一定額をNISAで積み立てるという行動を繰り返すうちに、相場の上下に一喜一憂しなくなった。下落したときも「安く買えている」と思えるようになり、上昇したときは「積み上がっている」と感じられるようになる。このメンタルの変化は、最初のうちは想像もしていなかった。長く続けることが、投資家としての「強さ」を育てるのだと実感した。
住宅ローン持ちが投資を続けるときの注意点
「投資優先が合理的」とはいえ、何も考えずに全力投資すればいいわけではない。住宅ローンを抱えながら投資を続けるには、いくつか押さえておくべきポイントがある。
① 生活防衛資金は必ず先に確保する
投資に回す前に、まず生活防衛資金(生活費の6ヶ月〜1年分が目安)を現金で手元に置いておくことが大前提だ。住宅ローンの返済は毎月必ずやってくる。万が一収入が途絶えたとき、投資資産は相場次第では売りたいときに売れない状況になることもある。現金クッションがなければ、最悪のタイミングで投資を崩さなければならなくなる。
② 繰り上げ返済の「手数料」を確認する
仮に将来的に繰り上げ返済を検討するときは、金融機関によっては手数料が発生する場合がある。また、「期間短縮型」と「返済額軽減型」で効果が大きく変わるため、事前に確認しておくことが重要だ。今すぐの判断でなくても、仕組みを知っておくことで選択肢が広がる。
③ 金利上昇リスクを頭に入れておく
変動金利のローンを選んでいる場合、金利が上昇すると毎月の返済額が増える可能性がある。今後の金利動向によっては、「繰り上げ返済して残高を減らしておいた方がよかった」という局面が来ないとも限らない。投資を優先しつつも、ローンの残高と金利の動向は定期的にチェックする習慣を持っておきたい。
④ 投資は「余裕資金」で行う原則を守る
毎月の返済に支障が出るほど投資に回してはいけない。あくまでも生活費・ローン返済・生活防衛資金を確保した上での「余裕資金」で投資することが大原則だ。焦って無理に投資額を増やすと、相場の下落時に精神的に追い詰められ、最悪のタイミングで売却してしまうリスクが高まる。
まとめ|ローンは「人生の制約」ではなく「選択肢を生む道具」になる
住宅ローンを抱えながら投資を続けることは、決して無謀ではない。むしろ、低金利のローンを活用しながら投資の期待リターンを積み上げていくことは、長期的には合理的な選択になり得る。
私自身、残債3,300万円のローンを抱えたまま投資を続けてきた。当初は「借金がある状態で投資をしていいのか」という不安もあった。しかし、金利と期待リターンを比較し、長期投資の力を信じて続けた結果、今は「ローンをいつでも返せる」という状況にある。これは単なる数字の話ではなく、「働き続けるしかない」という思い込みからの解放だった。
住宅ローンは確かに大きな数字だ。しかし、それは人生の制約ではなく、使い方次第で選択肢を広げる道具になる。投資を続けながら資産を育てることで、ローンに縛られた人生ではなく、自分がコントロールできる人生が手に入る。
もし今、「繰り上げ返済と投資、どちらを選ぶべきか」で迷っているなら、まずは自分のローン金利と投資の期待リターンを比較してみてほしい。そして、生活防衛資金を確保した上で、NISAの非課税枠を少しずつ活用することから始めてみることを、私は同じ会社員としておすすめしたい。
なお、住宅ローンを抱えながら子どもの教育資金を積み立てる方法については別記事で詳しく解説している。NISAと株式投資をどう組み合わせるかを考えているご家庭は、あわせて参考にしてほしい。
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この記事を書いた人
Takai|40代・会社員(IT系)
投資歴8年。つみたてNISA中心のインデックス投資と個別の高配当株で、夫婦の世帯資産7,000万円を運用(2026年6月時点)。住宅ローンと2人の子育てを抱える会社員として、「家族を守るための資産形成」を実体験ベースで発信しています。FP等の資格は持たない一個人投資家として、自分が実際にやったこと・調べたことだけを書いています。
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